授業報告(4月)

こんにちは。ガリレオサイエンス教室の三宅です。

月一ブログ、発信いたします。【5月17日発信】

親御さんに少しでも安心をお届けできればと思い、私が何を考えてお子さんとかかわり、授業をしているのか、発信していきたいと思い、月一ブログをはじめました。
何回か発信していくうちに、授業の様子を報告することが、その手段としていいのではないかと思いました。
ので、今回から、ひと学年の前月の授業の様子を報告していきます。
よろしくお願いいたします。

お子さんの様子、授業の様子だけでなく、全学年に共通する授業でのねらい、思いなど、発信していきますので、お子さんのクラス(学年)に関わりなく読んでいただけますと幸いです。

今回は、コペルニクス(小1)クラス、テーマは「スライムをつくろう」です。


(どこから開けたらいいの?)


「ファイルの使い方、知ってるよ!」

新しい学年になって、一回目の授業です。
どきどきわくわく不安と期待でいっぱいです。

4月の授業は、新しいファイル、新しい心得、4月のテキストが机に置いてあります。
お子さん自身に袋から出してもらっています。
どんなことでもまずはお子さんに任せます。

例えば、プラスチックコップも袋に入っている状態から、お子さんに渡します。
お酢などのびんも未開封のものであればそのまま渡します。
袋を開ける、栓を開けるなど、自分でやることで、自分ごととなります。
動くことで緊張も和らぎます。
自分を信頼してもらえていることを感じ、自分を信じられるようになります。

また、上靴を出す、履いてきた靴を下駄箱に入れる、白衣を着る、ボタンを留める、など自分でできることはまず見守ります。
その少しずつの「できた!」の積み重ねが自分への自信につながると思っています。
次への挑戦につながると思っています。
もちろん、今の成長段階ではきびしいもの、ただ知らないだけ、思いつかないだけのこともありますので、その時々で声をかけたり、手伝ったりはしますが、基本的にはお子さんを信頼すると決めて、見守ります。
それが安心感のある場を作ることのひとつであると考えています。


(…?)


(えっ?手がべとべとする…)
授業が始まります。
まず、スライムってどんなものなのか、触ってみます。
みんなに前の机に集まってもらいます。
椅子から立って前へ行くだけの動作ですが、動くことで緊張を和らげることも目的としています。
待ちきれずに真っ先に触る子、配られるのを待ってから触る子、おそるおそる触る子、みんなの様子を見てから触る子、触らない子、さまざまです。

ベタベタして気持ちがわるいな、ぷにょぷにょで気持ちいいな、
などさまざまな感覚を自分のペースで味わいます。
静かにじんわりと感じるお子さんもいれば、「おもしろい!見て見て!!」と声に出して感じるお子さんもいます。

こちらは、それぞれのお子さんが感じたそれぞれの感覚を大事にします。
具体的には、あなたの気持ち、受け入れたよのサインとして、
「きもちわるいー」には、「そうかー、きもちわるいかー」
「なんかあわがある」には、「あわがあるね~」とそのまま返します。
基本的には、オウム返しです。

感情は、実は人が生きていくために最も大切なもののひとつです。
【うれしい】から行動しますし、【イヤ】だから「やめて」と言います。

感情自体に良い悪いはなく、本人はそう感じるというものです。

本来は自然に心の中からわき出てくるものですが、これを否定されると、そのうち何も感じなくなっていきます。
ありのままでいられなくなっていきます。

自分が感じた感情そのままが大事で、そのまま受け入れられることが大事だと考えていますので、余計な言葉はいらないと思っています。
自分の感情を評価されないことが大事です。

静かにじんわり感じているお子さんには、顔の表情を観察した上で、「どんな感じ?」と声をかけ、「気持ちよさそう」などと感じているであろう感情を言葉にすることもあります。
今、感じている感情がどんな感情なのか認識することも大事です。

受け入れることで、お子さんは自分が感じた感情は大丈夫と自分にOKを出せます。
そして自分とは違う感情を他のお子さんが感じたとしてもOKが出せると思います。
自分の感じたことを受け入れられることを大切にしています。


(のびた!)


「のびるー!!」


「見て見て!手にくっついた」


思う存分楽しみます。
心が動く体験をします。
そして、「はやく作りたい!」
と「やりたい」と思う心が出てきます。
そして、準備が始まります。


(こぼれないように…、そーっと)

お子さんは、お子さんなりに考えています。
こぼれないように……と真剣です。
そんな場面で、大切にしていることがあります。
それは、水をこぼしてもいいという心持ちでいることです。

私たち大人はついつい、「こぼすんじゃないか」という目でお子さんを見てしまいます。
こぼされるとめんどくさいですからね。
テーブルを拭いたり、場合によっては服を洗濯する羽目になるかもしれません。
ですので、「もっとまっすぐ持ちなさい」とか「こぼさないようにしなさいね」とか「もっと近くでやるのよ」などとダメ出しをしがちです。

窮屈ですよね。
失敗を許されない環境。

こぼしたらこぼしたで「あーあ、だから言ったのに」とめんどくさそうに対応される。

そうすると、お子さんはどうなるか。

失敗を恐れるようになります。失敗したくないから、何もしないようになります。
何もしなければ怒られることはありませんので、新しいことに挑戦しなくなります。

これは、不幸なことです。

お子さんがこぼす確率が下がるというメリットに対して、お子さんがその後挑戦しない人になるというデメリットが大きすぎます。

こぼしてしまってもふけばいいだけのことです。

はじめは、こぼすかもしれません。でも、そのうちうまくできるようになります。

はじめは失敗するかもしれないけどそのうちなんとかなることを何度も体感することで、どんなことでも、「やってみて、はじめはうまくできなくても、そのうちできるようになるんでしょ」と思えます。その方が新しいことをやるときに抵抗感がなくなります。

新しいことをすることに抵抗がなくなると、なんでもやれるようになります。とりあえずやる。やってみるとそのうちできるようになる。うれしさ、達成感、自信を感じます。すると、また「やろう!やりたい!」とわくわくしてきます。人生がいきいきしてきます。

その感覚の方が、失敗をおそれて何もしないようになることより、人生を自分らしく生きることには大切だと思っています。

ですので、こぼさないように先回りをしたり「○○しないようにね」という声かけはしないと決めています。
特段の危険や、とりかえしのつかないことをのぞいて基本的に、お子さんを信頼して、見守ります。


(ふたがかたい…)


(なかなか落ちてこないなー??)

自分で準備すると、
せんたくのりがどろーとしている感覚を自ら発見します。
楽しいです。わくわくします。
お子さんの好奇心って素敵だなと感じる瞬間です。

スライムの材料として水、せんたくのり、ほうしゃ水の準備ができたので、スライム作りに挑戦です。

(しっかりまぜて…)


(おっ?スライム?)





「できてきたー」
出来はじめると、うれしくなります。
今回は、水とせんたくのりの量は変えずに、ほうしゃ水の量をどれくらいにしたらいいのかを調べました。


(でかい…!)


(まだまだのびるー!)

ほうしゃ水を入れていくと、もっと大きなスライムになったり、もっとのびるようになったり・・・、
でも入れすぎるとかたくなったり…。
何度も何度も繰り返します。
繰り返すことで、ほうしゃ水の量をどれくらい入れたらいいのか、自分で感じます。



「こんな色になったよ」
色つきも作りました。
自分好みの色にするために試行錯誤します。


「こんなんできたよ」


「なんか、ぷちぷちする!」


(うんうん、いい感じ)


(スライム出しちゃえ、うわ)

みんなと楽しさを感じ合ったり、手でギュッとにぎった感覚を楽しんだり、
じんわりと楽しんだり、机の上に出してみたり、
楽しみ方、感じ方はお子さんそれぞれです。
そんな様子を見ると、こちらも楽しくなったり、
そんな楽しみ方があったか!と面白いです。



机にはスライムがいっぱいです。
 
              
これは、スライムで海辺をイメージしたそうです。
青色と水色で海の波を、肌色は砂浜、緑色は島です。
島のまわりの肌色の部分など細かいところまで、再現されていて、素敵でした。


(どれにしようかな?)


(わりばしにくっついてくるー)

お家に持って帰るために、ふたのついた容器2つを渡しました。
自分で作ったたくさんのスライムから迷いながら、決めていました。




自分で作ったスライムを持って、カメラににっこり♪
「はやく、お母さんに見せたい!」
とニコニコです。
そんなとき、お子さんは本当にお母さん大好き!!なんだなと感じます。
誰よりもやっぱり、親御さんに見てほしいんですね。
ちょっぴり?だいぶん!うらやましくなります(笑)


(なんか出てきた…!)


(ん…なにこれ?)


(はねる!)


「こんなの出てきたよ」

スライム作りを思う存分楽しんだあと、
せんたくのりの正体を調べました。
出てきたものは、プラスチックです。
「えーっ?これプラスチック!?」
みんな、びっくりしていました。
心が動く瞬間です。

いっぱい、心が動く体験をして、「やりたい!」があふれる人に、
そして、「人生を自分らしく豊かに生きる人」になってほしいと願って、お子さんとかかわっております。
今後ともよろしくお願いいたします。