授業報告(10月)

こんにちは。ガリレオサイエンス教室の三宅です。

月一ブログ、発信いたします。【11月24日発信】

今回は、ホーキング(小6~中3)クラス、テーマは「輝け! ビスマスの結晶!!」です。

まずは、これから作るビスマスの結晶を見ます。


ビスマスは、金属です。もともとはこのような形をしていません。
鉄や銅などと同じく、かたまりの状態です。

ビスマスのチップが入った袋から自分で取り出します。
はいこれがビスマスです、と渡されるのではなく、自分で取り出すことで、出てきた瞬間のキラキラした金属の板により感動します。
そして、これから作ることにわくわくしていきます。

(これがビスマス…、きれいー)

これから使う道具も自分で取りに行きます。
そうすることでこれからやることが自分ごとになっていきます。
 
(ペンチ、えっとピンセットは3つ、フォーク……えっ?……フォーク?? どう使うの??)


(こっちかな? うんこれでいい!)
皮手袋も自分の手に合ったサイズを自分で選びます。

 

準備もお子さんにやってもらうことを大切にしています。
与えられるのではなく、自分が行動する、主体的にものごとをとらえられるようになってもらえたらと思っております。

ガスコンロにガスボンベを入れることもお子さんに任せます。
お子さん自身も自分でやれること、自分はできることを楽しんでいます。
楽しみながら、少しづつのできたを積み重ねて自分への自信、信頼につなげていきます。

 
コンロの火は強火と中火の間です。
金網もまっ赤です。ビスマスの融点は271度です。
それがコンロの火で融けていくので実際は300~400度になります。
 
(融けてるー)
(ビスマスって金属だよね!?)
実際に融けているビスマスを見て、緊張も味わいます。
 
(しっかりつかんで……)
(できた! ふー)
まだ融けていない部分のビスマスも融けるように、熱々のカップをペンチを使って動かします。
動かすことも、タイミングも、お子さんに任せます。
こちらでも安全には注意していますが、お子さん自身でも安全に気をつけてもらいます。
こぼれないように慎重に……、真剣です。

ビスマスが完全に融けたら、カップごと作業台に移して、冷めるのを少し待ちます。
冷めてくると結晶が表面にできてくるので、それをピンセットで引き上げます。
 
 
(わっ、ピラミッドみたい!)
(おっ、おーーー、とれたー)
(どれ?? ここか……!)
引き上げた瞬間、ビスマスの結晶が成長していくのも見られて、感動します。

次は、クリップを使って、クリップのまわりにできた結晶を引き上げていきます。
ピンセットで引き上げるよりも大きな結晶が取れます。
 

 

 

 
「みてみて、ビルみたい」
「建物がどんどんできていくー」
「うわー、きれいー」
引き上げたあとも結晶がのびていくのが見られて、気持ちも上がります。
もっときれいなもの、もっとおおきいものを作りたくなります。
 

 

 
すばやく結晶化させると、四角い建物がつらなったような形の結晶ができます。
ゆっくりすぎてもはやすぎてもこの形にはなりません。
きれいなものができるかは、偶然の要素が大きいです。

カップの底にも結晶ができるので、底にできた結晶も取り出します。
表面が固まり始めたら、カップの底のビスマスも固まり始めます。
まだ、固まっていない内側のビスマスを他のカップに注ぎます。
 

(うー、重いー)
(こぼさないように、しっかり持って……よいしょ)
熱々のカップを落とさないように、熱々のビスマスをこぼさないようにと緊張感が高まります。

カップの底にできたビスマスの結晶を金床(かなどこ)に打ち付けて取り出します。
まだまだ熱々なので慎重に。
そのあと、金づちとタガネで必要な部分を切り出しました。
 

自分の作ったビスマスの結晶の一番を箱に入れます。
 
 

きれいなビスマスの結晶が作れた喜び、最後まで安全に気をつけた自分への自信、こんなきれいな結晶が形作られる不思議を感じました。
結晶を作ることで、形のいいもの、そうでないもの、さまざまなものができあがります。
同じ条件で作っても、理想的な形になったり、ちょっとここが……という形のものになったりすることを体感します。
偶然でしかないことを経験します。

実は、自分が人間として不自由なく生まれてきたのも偶然です。不自由に生まれた可能性もあります。単なる運・不運です。
自分もまわりもみんなが幸せに生きるには、たまたま不自由なく生まれてきた自分に何ができるのかを考えるきっかけになってもらえたらと思います。
そして自分の人生を自分らしく豊かに生きられるようになってもらえたらと願っております。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

三宅恵里香