こんにちは。ガリレオサイエンス教室の三宅です。
月一ブログ、発信いたします。【5月17日発信】
今回は、ガリレオ(小2~小3)クラス、テーマは「紫キャベツで科学鑑定!」です。
液体の性質を調べます。
例えば、酸性なのか、中性なのか、アルカリ性なのかを調べていきます。
いきなり酸性、中性、アルカリ性を調べるわけではなく、まずは、味調べです。
ここでは、酢、重そう水、レモン水、水の味を調べます。
あまい、しょっぱい、すっぱい、にがい、味がないなどを感じます。
お子さんが興味を持ちやすいものから、始まります。
いきなり、リトマス試験紙が出てきて、酸性、中性、アルカリ性と言われても、お子さんにとっては遠い世界のことでしかないので、まずはお子さんの身近な世界で楽しみます。
お子さんを前に呼び、お子さんの目の前で、酢を出します。プラスチックの入っている袋ごと出して、お子さんに袋の中から1個出してもらいます。お子さんに水と酢を入れてもらったりしているうちにだんだん自分ごとになっていきます。
あ、酢が出てきたーどんな味かって?? ほんとに味見するのー、どんな味だろう? など、とどきどきわくわくしながら進みます。お子さんそれぞれに心が動きます。
実際に味を確かめたお子さんは、「すっぱっ」「まずっ」「もういらない」「ん? すっぱい。でもちょっとあまい? あれ、しょっぱい???」と言いながら、体感していました。お子さんの発言に対しては「すっぱいかー」「まずって感じたんだね」「もういらんー」「すっぱいとあまいとしょっぱいかー」などと言いながら、大事な発言として受け入れます。こちらにとって都合の悪いような発言に対してであっても、すべて受け入れます。そうすることで、安心安全な場になります。すると、ますます自分ごとになり、主体的な動きが増えていきます。(人を傷つける発言に対しては注意をします。)
それから、リトマス試験紙の紹介、使い方の説明をすると、自然と、酢は赤、赤になったから、重そう水は…… 赤、青になると思う! とお子さんたちの方から予想がはじまり、ルールをみつけようとします。やりたい! 気持ちで自ら考えることを楽しみます。
紫キャベツの葉を細かくちぎることも、アルコールランプであたためることも、お子さんたちがやります。試験液が意外とかんたんに作れることを知り、行動することへ自信が持てるようになります。
アルコールランプを使うので、マッチを使います。まずは練習をします。
はじめはうまくいかなくても、やっているうちにできるようになってくることを体感します。最終的にはマッチやアルコールランプを使えるようになり、自分への自信を深めていきます。
お子さんによっては、今回の一回ですべてができるようになるわけではないこともあります。例えば、ちょっとマッチを持つところまでということもあります。
一回でうまくできなくてもいいと思っています。そのうちできるようになるよねというあり方で接します。今のお子さんの気持ちを大事にし、受け入れ、見守り、安心安全な場を作ることを大切にしています。
実際そのうちできるようになります。
すぐにうまくできなくてもそのうちできるようになるよねという経験をすることで、はじめからうまくできないかもしれないけど、そのうちできるようになるから、とりあえずやってみるかと思えるのです。そのように思える心持ちなら、人生を楽しんで幸せに生きてくれると思っています。
液体に紫キャベツの液を入れると、色がぱっと変わるので、お子さんたちの好奇心は刺激されます。
酢は何色になるの? 重そう水は? レモン水、さとう水……とやりたい気持ちがどんどん行動になります。
班で進める実験では、ぼくもやりたい、ぼくも! ぼくまだやってない、とお互いのやりたい気持ちが衝突することもあります。やりたいけれど、言えないお子さんもいらっしゃいます。やりたいのはみんな一緒です。自分たちでルールを決めたり、ゆずったりができる班はそのまま見守りますが、それが自主的にはできないお子さんがいらっしゃる班には、大人が介入します。状況を整理し、気持ちを聞く。キミがしたいのと同じように、他の子もしたい。やりたいのはわかるけど、交代でやってください。ルールを、教えます。やりたいことを言わないお子さんには、主張する大切さを伝えることもあります。
最初からこちらがルールを決めてそれに従ってもらうやり方でやると、衝突が起こらず、対人コミュニケーションの問題が表面化しません。するとお子さんは、人と一緒に何かをやるやり方を知らないまま大人になってしまいます。
衝突しないことが良いのではありません。衝突して初めて、学ぶのです。
衝突したときに、自分達で解決できる場合と、解決できない場合があります。
こちらが関わらなくても自分たちで解決し、自然と成長するお子さんたちもいます。
ただ、お子さんたちだけですと、我の強いお子さんの意見ばかりが通ってしまい、解決できないこともあります。そこは、大人の適切な関わりが必要になります。
まずはお子さんたち自身のやり方にいったん任せ、問題がある場合は介入する。お子さんの気持ちを聞き、(大人が介入した時点で、これはあかんことやったかと認識する場合もあります。他のお子さんの気持ちを聞いて初めて他者を意識し、ゆずるようになるお子さんもいらっしゃいます)必要に応じて解決の仕方や考え方を示す。このとき、頭ごなしな言い方をするのではなく、お子さんの人格を尊重し、一緒に解決策を考えるやり方をします。このような場を意識的に用意することで、お子さんたちは安心して活動に取り組み、成長できるようになります。
液体の性質(酸性・中性・アルカリ性)を知り、世界の見えない部分のおもしろさの一端に触れ感動します。
人生を自分らしく豊かに生きる力を育んでもらえたらと願っております。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
三宅恵里香