こんにちは。ガリレオサイエンス教室の三宅です。
月一ブログ、発信いたします。【3月25日発信】
今回は、アインシュタイン(小5)クラス、テーマは「エレキでぐるぐる」です。
電気によってぐるぐる回るものです。
まずは、モーターづくりです。
モーターは、扇風機、洗濯機、掃除機、ドライヤー、冷蔵庫、エアコン、時計、電車、電気自動車など電気によって動いている製品のほぼすべてに使われています。逆に言うと、モーターが作れるだけで、多くの製品が作れるようになります。
今回は、世界で一番かんたんなモーター「クリップモーター」を作りました。
導線でコイルを作って、電池につなげる。それを磁石に近づけるだけで、コイルが回るというものです。
単純なモーターを作ることで、回るしくみにも興味を持ちやすくなります。
ただ、丁寧な作業が必要になります。意外と繊細な作業をしないと回らないことを体感します。試行錯誤の結果、目の前でコイルが回ると、感動します。そして、こんな単純なものがどうして回るのか、不思議になります。
そこで、次は、なぜ、回るのかを実験で試しながら、調べていきます。
コイルに電気を流して、方位磁針を近づけてみたり、釘に導線を巻いて、クリップに近づけてみたりしました。実際に試し、起こる事実を目の当たりにします。
どうも、コイルに電気が流れると磁石の力が発生するらしいということがわかります。
こうするとこうなりますではなくて、実際にやったら、そうなったというものです。
導線は、巻かないとだめなのかどうかも試しました。
1本の導線に電池をつないでから、方位磁針を近づけます。……すると、方位磁針は反応しました。
コイルにしなくても、磁石の力は発生するようです。
一般的には、導線を巻いてコイルにすることが当たり前のように扱われます。でも本当は、導線を巻いてコイルにしたというのは結果です。
導線に電気を流したら、どうも磁石の力が発生した、その力を強くしたいと考えた。
電流をたくさん流したらいいんじゃないか。導線を太いものにしたらいいんじゃないか。導線を何本も増やしたらいいんじゃないか。
さまざま試した中で「1本の導線でも、ぐるぐる巻いて束ねたら、1本そのまま使うよりも強い磁力が得られるようだ。」という発見があって。これって、導線を何本も用意したり、電池を何個も用意したりするよりも便利だよねってなって、導線をぐるぐる巻いたものがよく使われるようになりました。それに名前をつけたのがコイルです。
コイルというものは、はじめからあったわけではなく、試行錯誤の結果生まれたものなのか。
それを使っているに過ぎないのか。
そういうことを知ることで、
「(なんか知らんけど)電磁石のときはコイルが登場する」ではなく、
身の回りのものごとが、自分の知識や経験と地続きなものであると感じ、自分でも世界を変えられると感じられる力になります。
また、電気の流れが、磁石の力を生み出すことも。
何気なく見えますが、これは実は説明のつかない魔法のようなことです。どうしてそんなことが起こるのかがわかっていない、この宇宙の法則の1つです。そんなことを知ることで、世界の面白さを感じてもらえたらと思います。
よく分からない事が、しかし当たり前のように使われていることを知り、世の中のいい加減さを感じて、自分らしく気楽に生きてもらえたらと思います。
最後にスピーカーも作りました。
スピーカーという、なんだか想像ができないすごい技術が使われていそうなものが、しかし自分で作れるという体験を通して、すごそうなもの、どうやってやればいいのか想像がつかないものでも、調べたり教わったりすれば意外とできるかもしれないという気持ちになり、何ごとにも1歩踏み出せる人になるきっかけにしてもらえたらと思います。
空気のふるえという物理的なものが電流に変換されて伝わり、その電流がまた空気のふるえに電磁石を使って戻されているという仕組みを知る。それがテレビや携帯電話などから出る音の仕組みであることを知り、これまで想像もできなかったものの仕組みがわかる事のおもしろさを感じます。
モーター、スピーカーを作り、身近なものは何でも人間が作ったものであり自分でも作れるものだと感じる。世界、技術を身近に感じる。このような経験を何度も繰り返すことで、人生を自分らしく豊かに生きる力を育んでくれることを願っております。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
三宅恵里香