授業報告(2024年5月)

こんにちは。ガリレオサイエンス教室の三宅です。

月一ブログ、発信いたします。【6月28日発信】

今回は、エジソン(年長)クラス、テーマは「じしゃくフワフワ」です。

磁石そのものをさわってみたり、いろんなものに近づけてみたり、磁石について調べました。

まずは、クリップがたくさん入った袋をお子さんに渡し、机の上に出してもらいます。お子さん自身に出してもらうことを大事にしています。自分で用意したことで、自分ごととなります。自分で取り出しているので、クリップをさわったり、クリップ同士をつなげてみたりしながら、そのもの自体にも興味を持ちます。これから何をするのか、わくわくしてきます。クリップをつかみ取ってみたり、クリップをつなげてみたり、クリップだけでもお子さんは、いろんなことを楽しみます。

そして、ひとり1個磁石を配ります。この時点では、まだクリップで遊んでいるお子さんもいらっしゃいます。配られた磁石そのものをさわって楽しんでいるお子さんもいらっしゃいます。その段階も見守ります。その瞬間のお子さんの興味のあることを大事にします。自分の興味関心を大事にされた経験で、自分は大切な存在であることを感じます。何度も何度も感じていくことで、満たされていきます。まずは、自分が満たされる経験をして、そのあとで、まわりのお友だちのことも大切な存在として認識するようになるという順のように思います。

クリップと磁石が配られた時点で、お子さんたちは自然と遊びだします。お子さんの興味関心のまま進んでいきます。「クリップに磁石を近づけてみよう」といった指示を、こちらからすることはあまりありません。そういった指示を出すと、「しなければならない」という窮屈な場になるためです。
あくまでも自然に、ためしたくなる、感じたくなるように、声をかけるタイミング、どのような声をかけるかを考えて、それぞれのお子さんの様子を見守ります。大人も磁石を持って、さまざまなことをお子さんと一緒に試したりもします。「こう? こうかー」「こんなんしたらどうなるのかなー?」とひとり言のように言います。何かをわかってほしいわけではなく、ほーそうなんだーを感じてほしいと思っています。

お子さんは、磁石にクリップが集まってくるのを楽しんだり、磁石を持ち上げるとクリップがくっついてくることを知って、よりたくさんのクリップを持ち上げようと試したり、磁石をクリップに埋めて、持ち上げてみたり、下に落ちたクリップを磁石で集めてみたり、思い思いのことを試していきます。じっくり、ひたすら、さわってもらいました。磁石ってこういうものかーとおもしろさや不思議さを感じます。
お子さんが小さいうちは、「気になったものを、気がすむまで触る。いじる。」という体験が必要です。あきるまで。心が落ち着くまで。
こういう体験を多くしたお子さんが、情緒が安定し、前向きで好奇心ある大人に成長します。

ある程度時間を取ると、お子さんは自然と、机や自分のテキストなど、近くのものに磁石を近づけだします。そういうときに、「つくえはくっつく?」「テキストはどうだった?」と声をかけたりします。

だんだん試したい気持ちが広がります。自分のすわっている椅子の足に近づけて、「あ、くっついた」とか、椅子の木の部分に近づけて「こっちはつかない……」とか、そのうち、シンクの方に行って「これは?」と試します。壁に近づけてみたり、窓や扉、黒板など、教室中を歩き回ります。楽しみます。



自分のふでばこにも近づけて、「ここだけにくっつく!」「消しゴムにはむりー」。教室の棚の中を開けて、はさみに近づけてみたり、定規に近づけてみたり、わりばしに近づけてみたりする。思い思いに自分のペース、タイミングでひたすら試します。

こちらは見守ります。「くっついたー」には「そっか、くっついたかー」、「くっつかないー」には「くっつかないかー」とそのまま返します。お子さん自身で、くっつくものもあったり、くっつかないものもあったりすることを感じます。ふーん、そうなんだーを感じます。

「かたいものにくっつくみたい」「木はくっつかない」など、発見していきます。

お子さん自身が自分でたっぷり楽しみながら感じたあとに「くっついたり、くっつかなかったりするね」と言葉にします。「どうもかたくてキラキラしているものにくっつくみたいだね」など、お子さんが発見したことを、言葉にします。

硬貨、アルミ缶やスチール缶なども出して、キラキラしているもののなかでも、くっつかないものもあるようだぞ、という発見もします。くっつくものもあるし、くっつかないものもある。へー、そうなんだーを感じます。


そして、「どうもキラキラしているものの中でも鉄っていうものがくっつくらしいよ」とここで磁石は鉄がくっつくことを言葉にします。一般化します。大事にしているのは、磁石に鉄がくっつくことを理解するかどうかではなく、世界の不思議をそのまま感じ、発見を楽しむことです。

机に置いたクリップに、磁石をじわじわ近づけてみたりもしました。
くっつけなくても、クリップが飛ぶように引き寄せられます。
「磁石の力は、はなれていてもはたらく」ことを知りました。

実験して、「磁石と力はものを通り抜ける」ことも知りました。

N極同士は、反発します。S極同士は、反発します。N極とS極は、引き付けられます。
理由はわかっていません。この宇宙には、そういう法則がある。ということも知りました。

最後に底板の磁石とコマの磁石の反発力でコマが浮く様子も見ました。

磁石の楽しさ、不思議さを感じ、世界に親しみ生きることのおもしろさに触れてもらえたらと思います。人生を自分らしく豊かに生きてほしいです。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

三宅恵里香