授業報告(2024年6月)

こんにちは。ガリレオサイエンス教室の三宅です。

月一ブログ、発信いたします。【7月22日発信】

今回は、ホーキング(小6~中3)クラス、テーマは「食べ物のカロリーを測定しよう」です。

食品の成分表示やレストランのメニュー表で見る「カロリー」って何なのか、どうやって決まっているのかについての実験です。
実際に計ってみることで、世の中がどうやってできているか少し分かることがねらいです。

まず、なんとなく聞いたことや目にしたことがある言葉ですが、カロリーって何なのかを自分なりに考えます。言葉にし、テキストに書いてもらいました。
続いて、カロリーって何なのかを自分なりに考えたとして、どうやって計っているのかも考えてもらいました。テキストに自分の考えを書きます。
カロリーってエネルギーのことじゃないの? 栄養のことだと思う。
機械で計っていると思う。糖分計みたいにカロリー計ってものがあって、食べ物を置いたら、数字が出てくると思う。
など、なんとか考えたことを言葉にしていたり、白紙のままだったりします。白紙であっても、考えてみたことが大事です。
普段なんとなくカロリーって聞いたことあるのに、あらためて聞かれると、困ります。知っている気でいたり、実は知らなかったり、そこまで考えたことがなかったりすることに気がつきます。カロリーってなんだろう? とあらためて疑問がわきます。

カロリーってなんなのかの説明をします。
カロリーとは熱量の単位であること。
熱量とは、物をあたためる能力がどれだけあるかを表したもの。
食べ物のカロリーを計るには、食べ物に実際に火をつけて計っていることを知ります。

ここからは、テーブルでチームになって、実際に食べ物の熱量を調べます。
今回は、ピーナッツを使いました。
具体的にピーナッツを燃やします。ピーナッツに火をつけて、その火で水をあたためます。水の重さをはかっておいて、水が何度から何度に上がったのかで熱量を計りました。
細かいやり方は、テキストに書いてあるので、見ながら進めてもらいました。
スタンドや温度計、上皿てんびんなどの必要な器具もお子さんたちに棚から取って用意してもらっています。自分たちで用意することで、自分ごととなります。


普段は、水を入れてあたためるとき、ビーカーを使いますが、熱がとられますので、今回は薄い金属のアルミ缶を使います。アルミ缶の上を切るのもお子さんに任せます。アルミ缶に千枚通しで穴をあける。アルミ缶をつるすために針金を切る。スタンドにつるす。すべてお子さんたちが進めていきます。


自分たちで進めていくことで、さまざまな感情を感じているように思います。はじめは、まわりをうかがいながら道具を取りに行ってみたり、自分が何をしたらいいのかひたすらテキストを見てみたり、ちょっと不安を感じながら。そのうち進むにつれて、チーム員同士で声をかけあうことができてきて、自分もチームの一員だと感じ、みんなで進めていくことの心強さや楽しさ、むずかしさを感じているように思います。それを何度も経験することで、はじめての不安も感じるけれど、やっているうちにどうにかなることを知っていくようになるんだと思います。そして自分は大丈夫! と感じてもらえたらと思っております。

ピーナッツに火をつける段階になると、本当に燃えるの? と疑いながらも、燃えはじめると、「本当に燃えてる……! しかもなかなかはげしい……」「ピーナッツって燃えるんやー、はじめて見たー」とおもしろそうです。目の前でピーナッツが燃えるのを見ると、へぇーってなります。燃えてる……と実感できておもしろいです。





「けっこう温度上がってるー」「もう火が消えそうだからもうそろそろ温度も限界か……」など、ピーナッツの火で温度が上がっていくことも自ら温度計を確認して注目していました。

結果が出たら、熱量を計算します。自分で熱量を出せるようになりました。今までは機械がなんとなくやっていてよくわからないものというものが、実際は自分たちにできることをやっているに過ぎないことを知ります。世界を知り、見えるものになります。

そのあとは、遠心分離機を使って、食べ物が層になるようすを見ました。遠心分離機って聞くと、すごいことしているように感じますが、ひたすら回しているだけです。そのことに、ほーと思ったり、そりゃそうかーと思ったり、それだけのこと? と感じたりします。これも、人間がやれることやっているので、想像がつくものであることを感じます。


じゃがいもからでんぷんを取り出したり、そのでんぷんにヨウ素液をかけてみたり、
水といっしょにあたためてみたり、そこにジアスターゼを入れてみたり、ベネジクト液で糖があるか調べてみたりしました。消化の実験です。
ひさびさのアルコールランプに戸惑ったり、うれしそうだったり、でした。



実際に熱量を計ってみることで、丁寧に作業をする、記録する、計算する、ことを体感し、自分たちにもできたという感動を味わいます。実験・研究の意義を感じます。人間がやれることをやっているに過ぎないことを知ります。世界が見えてくることで、自分の人生を自分らしく豊かに生きてもらえたらと思います。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

三宅恵里香