授業報告(2024年8月)

こんにちは。ガリレオサイエンス教室の三宅です。

月一ブログ、発信いたします。【10月7日発信】

今回は、アインシュタイン(小5)クラス、テーマは「見えないものを推理せよ!」です。

無色透明の9種類の水溶液がどれがどれかわからなくなったので、液体の正体をあばこうという実験です。可能性のある10種類の水溶液を手がかりにします。
どうやったら液体の正体をあばくことができるのか。手がかりを1つずつ集めて、真実に近づいていきます。

まずは、いきなり水溶液と言われてもわからないので、水溶液とは何かを知るための実験です。
水に溶けるとはどういうことかを調べていきます。

今回用意したものは、砂糖、食塩、片栗粉、食紅、砂です。
それぞれを水に入れて、かきまぜます。

テーブルごとに、お子さんたちに実験を進めてもらいます。これまでの実験の積み重ねがあるので、お子さんたちは、思い思いにとりあえず動き出します。プラスチックコップを袋から取り出したり、水を入れたり、スプーンを棚から取りに行ったりと体を動かすうちに、「コップいくついる?」とひとりごとのようにつぶやいてみると、それに「砂糖と食塩と…だから5個?」と近くのお子さんが反応してくれたりします。実際に体を動かすことで、気持ちもほぐれていきます。ものごとが自分ごととなります。


科学の世界では、入れたものの粒が見えなくなって、液の全体が透き通っているときに、溶けているということを伝えます。目の前にある実験の結果から、溶けているものを考えます。

ろ過すると取り出せるのかもやります。
結果から、溶けているものは、取り出せないことを知ります。
水溶液とは何かを知り、ろ過の技術を習得しました。

次に、9つの水溶液の正体をあばく実験です。
可能性のある10つの水溶液の性質や特徴の紹介と水溶液を分類する方法を伝えます。

前に来てもらって、10つの水溶液の入った容器と元の瓶の実物を見せながら、進めます。例えば、ホウ酸水であれば、ホウ酸の瓶を示しながら、ふたを開け、中身を見てもらいます。白い粉であること、この粉が水に溶けていることを認識します。
においに特徴のある酢酸水とアルコール水とアンモニア水は、実際にどんなにおいがするのかかいでもらったりもしました。

今回の水溶液を分類する方法は、

1.色やにおいで分ける
2.液性(酸性・中性・アルカリ性)で分ける
3.溶けている物質の状態(固体・液体・気体)で分ける
4.金属を入れたときの反応で分ける
5.燃やしたときの反応(炎色反応)で分ける

です。

ひと通りの説明のあとは、テーブルごとにチームになって実験を進めてもらいました。
ビーカーを取りに行ったり、ラベルをビーカーに貼ったり、水溶液を注いだりの準備もお子さんたちが進めます。

ここからは、こちらは危険のないように見守ります。

においを調べます。
「えっ? においあるようなないような……、どう思う?」と悩んだり、特徴のあるにおいを発見すると、「これもう何かわかった!」とうれしそうです。

液性を調べます。リトマス試験紙を使って調べました。
記録をしていく中で、自然と「これ○○だと思う」と予想しながら楽しんでいきます。
 
 

水溶液を火であぶります。溶けているものを取り出します。
あまいにおいがしてきてこげたり、白いものが残ったりする様子をじっくり感じます。
 
 
 

金属を入れたときの反応や炎色反応も調べます。
すべてを調べ終わると、水溶液の判定です。
データと結果を見比べながら、丁寧に判定していきます。
 
 

酸性で、加熱すると白い粉が出てきたってことは……ホウ酸水か。とか、
中性で、白い粉ってことは食塩水か塩化カルシウム水溶液で、区別するためには炎色反応を見なくちゃいけない。とか、
結果から論理的に考えていくというのはどういうことかを経験してもらいました。

警察の捜査などで正体不明のものを調べるときなども、やはり同様のことをしています。

もっと言えば、会社もそうです。
チームであーでもないこーでもないと言いながら、作業を分担して、仮説を立てて論理的に進める。

人間ができるのは、当たり前のことだけです。自分が今日やったことが、大人が仕事としてやっていることと本質的には変わらないということを知って、自分はできるという自信になればいいなと思います。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

三宅恵里香