授業報告(2024年9月)

こんにちは。ガリレオサイエンス教室の三宅です。

月一ブログ、発信いたします。【10月28日発信】

今回は、ガリレオ(小2~小3)クラス、テーマは「ファイアーマジック教室」です。

今日は、火の実験です。
まずは、火がどんなものかを感じられるようにするため、アルコールに火をつけてみます。

前に集まります。
最初は先生がアルコールを机にたらして、ロングライターの火を近づけます。
「机の上にいいの?」「机、大丈夫?」「火がつくんじゃないのー」「もえるー」とのお子さんの声や気持ちを受け入れながら、やってみます。
「もえたー」「青いー」「きれいー」と反応するお子さん、じっと火を見つめるお子さん、ちょっと離れたところからじんわり楽しむお子さん、それぞれの感覚を味わいます。

そのあとは、自分たちでも机にアルコールをたらして、火をつけることを試してもらいました。

火は危険なものだけど、なぜかひきつける力を感じます。

そして、また前に集まります。
今度は、アルミホイルカップに薬品と一緒に、アルコールを入れて、火をつけてみます。
この時点では薬品の名前はひみつです。
ひみつの粉を3つ用意しました。
火をつけていくと、みどり色の火、薄いむらさき色の火、まっ赤な火が出ます。

「めっちゃ、燃えてるー。えっ、みどりー」「きれいー」「次は、ん? ちょっと色が薄い……、むらさきー」「ピンク?」「すこし薄い青色もみえるー」「うわっ、あかっ、まっかー、普通の火の赤とはちがうー」「火の玉やー、おもしろー」「花火みたいー、たのしっ!」と歓声があがったり、何も発言しなくても、顔の表情がはっとしていたり、にっこりだったり、びっくりだったり、じんわりだったり、お子さんそれぞれの反応があります。


アルコールの火の青さにもひきつけられていましたが、さまざまな色の火を目の前にして、ますます火のひきつける力を感じていました。

「ぜんぶの粉を合せたらどうなるのー?」という疑問も出てきます。興味関心がわき、好奇心がいっぱいで、積極的になり、自分ごととなっていきます。とても大事な瞬間です。
「あーー、合わせたらどうなるかかー、やってみる? やってみよっかー」とお子さんの声に答えます。安全や時間のできるかぎり、お子さんがやってみたいと感じたことをやってみせたり、やってもらったりします。お子さんが知りたい気持ちになっている瞬間を大事なこととしてとらえます。
そのときに、予定にないからと言ってダメと禁止されると、自分の素直な疑問や思わずわき出てきた好奇心が止められて、次からはその好奇心をおさえようとします。やりたいと思ってもかなわないなら、はじめからあきらめた方が自分を守れます。傷つかないですみます。こうして、何事にも無関心になっていきます。危険がない範囲であれば、余裕をもって受け入れられる環境の方が、面白がれる人生になります。楽しんでほしいです。

さまざまな色の火を見て、面白がったり、わくわくしたり、おどろいたり、不思議に思ったり、心が動かされることで、火は危険だけど、ひきつける力も感じる不思議さに気づきます。

ここからは、おうちでも楽しめるようにみどり色の火の粉で燃料を作りました。
上皿てんびんを使って、薬品をはかりとります。メスシリンダーも使っていきました。
新たな道具の扱い方を知り、使えたという自信を感じます。


燃料が作れたら、その自分の燃料で安全に火を楽しめるように練習しました。
自分の作った燃料に自分で火をつけて、みどり色の火を楽しみました。
火がつくと、じんわりみどり色の火を感じていました。





次は、薬品の正体をあばいていきました。
先ほどは、アルコールと一緒に燃やしていましたが、今回は薬品だけを燃やして、火の色を見ていきます。
薬品の名前と火の色がのっている資料を見ながら、薬品の名前を予想していきます。
あらためて燃やす前から、お子さんは配られた資料を見て、「これはホウ酸、もうわかった!」と予想して、楽しみます。お子さん自ら、考えることを楽しみます。あとは、それを見守ります。楽しみながら、すべての薬品の名前を確かめました。

最後は、コンスターチの粉塵爆発の実験です。
目の前で起こる爆発にびっくりです。コンスターチの粉が舞うところに火があると、連鎖的に燃えて爆発します。お子さんは「もう一回!!」と言います。その声に答えます。はじめとはまた違う気持ちも味わいます。
燃えそうにないものでも、細かくなると燃えて、爆発することを知ります。

火の色には、赤、オレンジ、黄色、緑、青、白、黒、ようするにすべての色があります。
燃やしたときのものの種類によって、火の色は変わります。物質の正体を調べるためにも使われます。

ただ、実際のところ、私たちが普通イメージする火の色は、黄色やオレンジ、赤が多いです。
これは、私たちの身の回りにある多くのものには「炭素」が含まれていて、この炭素が燃えるときにオレンジの光を放つためです。
(酸素が十分にあると青色になります)

炭素がもしも緑色に燃える世界であれば、おそらく私たちの火のイメージは緑色になっていたはずです。

火の色はオレンジ、というのは私たちの住む宇宙の、偶然でしかないのです。

こういうことを知り、体験することで、この世の中の畏れすごさ美しさすばらしさを感じてもらえたらなと思います。
たまたま偶然の世の中を、楽しんで生きてもらえたらなと思います。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

三宅恵里香