こんにちは。ガリレオサイエンス教室の三宅です。
月一ブログ、発信いたします。【12月4日発信】
今回は、コペルニクス(小1)クラス、テーマは「わたしの手」です。
今の自分の、手の像を作ります。
最初に、先生が作った手の石膏像を見てもらいました。
非常にリアルなものです。手のシワまで刻まれています。
「これ、誰の手?」「ほんものみたい」「爪もある……」「これに色塗る?」とみつめます。
「かたいー」「つめたい」「さらさら? ざらざら……」おそるおそる触ってみます。「勝ったー」とグーの手の石膏像に自分はパーを出して、うれしそうだったり、自分の手をあらためてじっくりみつめたりします。こちらは、お子さんがこの瞬間感じていることを見守ります。基本はオウム返しです。こっちが気づいてほしいことがあるときは、お子さんの感情が落ち着いてから、声をかけます。自分の感情を感じきってほしいと思います。自分の感情を受け入れられる、大切にあつかわれた経験が、自分を大切にすること、人を大切にすることにつながると思っております。

ここで、「これどうやってつくったんだろうね」と問いかけます。見たり触ったりしている間に、今日はこれ(自分の手)を作るみたいだけどどうやって? とすでに疑問に思っているお子さんもいますが、まだそこまで認識してない段階のお子さんもいらっしゃいます。みんなに問いかけることで、少し意識を、どうやって? に向けます。言葉になってもならなくてもいいと思っています。そう言われれば……くらいをなげかけます。
何かしら考えて、「ねんど」「コピー機みたいなもので??」「石を彫ったとか?」「手を押しつけたらいい」などの自分の意見を言葉にしたり、うーんとなって「わからん!」と言葉になったり、言葉にならなくても、一瞬は頭の中で「ん?」となります。答えを求めているのではなく、考えるきっかけになったらいいなと思っています。考えることを楽しんでくれたらと思います。考えることを楽しめる安心安全な場を作れたらと考えております。

像を作る方法はさまざまあります。今回はそのうちのひとつ、手の「型」を作って、そこに石膏を流し込むという方法で作っていきます。
紙粘土でいきなり指を模倣して作ることはもちろん可能ですが、手のシワを含めて完全に真似するのは非常に難しいです。しかしそれが、「型」があればかんたんにできるようになります。
まずは、手の型を作っていきます。
「かたとーる」という立体模型の型取り材を使いました。20℃くらいの水を混ぜてから7~8分でゴムのようにかたまります。
手の型はプラスチックのケースの中で作っていきます。
台はかりや計量カップを使って型取り材や水をはかりとる、それらをまぜる、プラスチックケースに流し込む、手を突っ込む、しばらくじっと待ちます。すべてお子さんが進めていきます。台はかりにいろんなものを置いてみたりすることも止めたりはしません。その好奇心、興味関心を大事にされることが、お子さんがこれからの人生を楽しめる状態になるかに関わっていると思います。



手を突っ込むときは、気持ち良さ、気持ち悪さを感じます。
じっと待つ間は、ひたすら待つのはつらいので、絵本を読みました。絵本も気になりながら、突っ込んだ手に型取り材の感触が変わっていくのを感じていました。



型取り材がかたまったら、いよいよ自分の手を抜きます。
「えっ……、ぬけない……」「むりー」「うわ、ぬけた!!」、ちょっとあせりや不安を感じながら、手が抜けると、自分の手の型をじっと見つめていました。この瞬間にもさまざまな感情を感じます。



手が抜けて、ホッとしたら、ボウルの中でかたまった型取り材や机の上にこぼれてかたまった型取り材をみつけて、触りはじめます。「ホットケーキできた!!」「スプーンの型がとれたー」「まんまるー」「ひんやりー、気持ちいい」「みてみてー、ちぎれたー」と楽しそうでした。お子さんの好奇心いっぱいの姿にうれしく思います。


型が作れたら、そこへ石膏を流し込んでいきます。石膏や水をはかる、まぜる、流し込む。先ほどの型取り材とは違う感覚を楽しんでいました。


石膏がかたまるのを待つ時間に、今日の年月日と自分の名前を、タグに書いてもらいました。

かたまった石膏を型からはずす作業は、実験室ではせず型ごと持って帰ってもらいました。
取り出したときの感動を、ご家族で感じていただくためです。

ゴムをはさみで切って取り除くと、とても精巧な手の像がでてきます。えらいリアルです。その感動を味わうことと、そして将来に、自分の小さいころを思い出して、愛されてきたこと、たくさんの経験をさせてもらったことを感じることで、その後の人生を力強く進めてくれることを願っております。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
三宅恵里香

