授業報告(4月)

こんにちは。ガリレオサイエンス教室の三宅です。

月一ブログ、発信いたします。

今回は、パスカル(小4)クラス、テーマは「金属の玉をあたためよう」です。
温度によってものの大きさがどうなるのかを調べる実験をしました。

まずは聞きます。

金属をあたためると、どうなると思う?

とける。どろどろになる。とけるから小さくなる。赤くなる。わからん。色が変わる。めっちゃ燃やすと燃える。爆発する。ふくらむ。

さまざまな意見がでます。

実は、金属をあたためるという実験1つで、いろいろなことを調べることができます。

形が変わるかもしれません。
重さが変わるかもしれません。
硬さが変わるかもしれません。
大きさが変わるかもしれません。
色が変わるかもしれません。
姿(状態)が変わるかもしれません。
燃えるかもしれません。
温度変化に何か特徴があるかもしれません。水をあたためたときのように一定の変化の特徴があるのか。
磁力の大きさが変わるかもしれません。
熱の伝わり方に特徴があるかもしれません。
別の物質に変わるかもしれません。

実験で大切なのは、「何のためにそれをするのか」です。
目的です。

今回は「温度によって大きさがどうなるのか」を調べます。

なのですが、はじめから、金属をあたためると大きさはどうなると思う? と聞いても、金属ってあたためるととけるんじゃないのと考えているお子さんは、その考えを持ったままでは「大きさ」に注目しにくくなります。

ですので、まずは、どうなると思う? という範囲の広い聞き方をします。

出てきた意見を受け入れたうえで、今回はさまざま考えられる変化の中の、姿や形、状態、重さではなく、大きさに注目しますということを伝えます。さまざま考えた中の今回は大きさねと納得します。

それから、大きさはどうなると思う? と問います。
大きくなる?
小さくなる?
変わらない?

とけるから小さくなる? ふくらむ気がするから大きくなる? かたいから変わらない? なんとなく大きくなる気がする? 変わらないはないと思うからあとどっちだろう? んー、なんとなく大きくなる?
自分なりに予想します。

それから、実際に実験をします。

今回は、金属の玉と輪っかを使いました。
金属の玉がギリギリ通ることを確認します。

金属の玉をあたためます。
再び、輪っかに通してみます。
金属の玉は輪っかを通らなくなりました。
その結果を目の前で見る、そのことで心が動きます。

えっ、通らない……! 大きくなってる!!
金属はあたたまると大きくなるのか!!!
と心が動きます。

実際にやってみないとわからない。やってみると事実におどろく。衝撃を受けたり、そうだよねとあらためて納得しなおしたり。
聞いて知ってても、目の前で起こることへの感動があります。

その感動のためには、ただ作業として実験をやらされるのではなく、自分ごととして主体的に取り組む気持ちになることが大事です。その気持ちになるようにお子さんに接します。

ひえると、また輪っかを通ります。
あたたまると大きくなる、ひえると小さくなる。
ひえても大きいままではないことの不思議さも感じます。

金属は、あたたまると大きくなる、ひえると小さくなる。

そのことを確かめた次は、水でも確かめていきます。

水は、あたたまると大きさは大きくなるのか、小さくなるのか、変わらないのか。

金属と同じなのか違うのか。
また予想してから、実験で確かめていきます。
予想することで、実験が自分ごととなります。

空気でもやります。

目の前で起こる事実に心が動き、さまざまな感情を味わいます。

すべてをためした結果、金属も水も空気もあたたまると大きくなる、ひえると小さくなることを知ります。

すべての結果が同じになる。

そのことに世界の不思議さや美しさ、面白さ、変さを感じます。

別に同じ結果にならなくてもいいのに、この世の中は同じ結果になるようになっていること。そんな面白い世の中に自分はいること。そのわくわく感を感じ、自分がこの世に存在しているすばらしさを感じてもらえたらなと思います。

それが自分の人生を自分らしく豊かに生きる力になると思っております。お子さんが、人生を自分らしく豊かに生きる力を育めるよう、環境を作っていきます。

今後ともよろしくお願いいたします。

三宅恵里香