授業報告(6月)

こんにちは。ガリレオサイエンス教室の三宅です。

月一ブログ、発信いたします。【7月28日発信】

今回は、ホーキング(小6~中3)クラス、テーマは「ピタ○゛ラ装置をつくろう」です。

ピタ○゛ラ装置とは、主に身の回りにあるものを組み合わせて作るからくり装置です。
ビー玉が転がった先でものにぶつかり、次の道具が動いて、最終的には「ピタ○゛ラスイッチ」という文字か、それを印象づける動きで終了します。

この実験の全体の目的は、
チームでピタ○゛ラ装置作成を通して、
・コミュニケーション力を上げる
・チームで作り上げる喜びを感じる
です。
その目的に進むための具体的な目印となる目標は、
・自分のコミュニケーションのあり方を認識する
・自分のコミュニケーションのありたい姿を認識する
・チーム員全員が気持ちよく装置作成をし、終わる
です。


授業が始まる前から教室にはピタ○゛ラ装置の映像が流れています。
お子さんは今日やることが具体的になり、さまざまな気持ちを感じます。
楽しそうとわくわくしたり、できるかな? とちょっとどきどきしたり、期待や不安を感じながら、自分ごとになっていきます。

 
授業が始まります。
まず、どんなことをするのか映像を見ます。
どう作っていくのかな? どう作ろうかな? 本当に作れるのかな…、
お子さんのなかでますます具体的になっていきます。

今回は、全体の目的・目標に加えて、個人の今日の目標も設定してもらいました。
チームでの活動ですので、「対人関係」の目標です。
例えば、積極的にチームに意見を出す、思いついたらとりあえず提案する、サポートに徹してみる、チームに入って一緒に作るなどです。
今現在の自分を認識し、自分はどんな自分でいたいかを考えてもらい、理想の自分でやってみることにチャレンジします。普段は意見をあまり言わないお子さんが、積極的に意見を出すというチャレンジをしたりします。
これからの日常生活の中でもどんな自分でありたいか意識できるように、そうあるためにはどんな自分で行動したらいいのか考えるきっかけにしてもらえたらと思っています。

 

 
自分の目標をチームでシェア(分かち合う)しています。
シェアすることで、自分の目標のサポートをみんなにしてもらえます。
そして相手の目標のサポートをすることができます。

 

 
具体的な道具を目の前にして、イメージのきっかけを探しています。

作りはじめは、チームによってさまざまです。
実際の道具を机に持ち寄って、みんなで話し合いをするチーム、
道具をひと通り見に行ったあと、紙にイメージ図を書いてお互いに意見を出し合うチーム、
道具を使って自分のアイデアを出す人の話を聞いて、どうしていくか話し合いをするチーム、
など。
その中で、お子さんが自分の今日の目標に向き合います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

木の加工も自分たちでやります。
 

どんどん作り進めていきます。
だんだんイメージが形になっていきます。
喜び、もどかしさ、難しさ、面白さ、いろいろな感情を味わいます。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
コースを完成させて、試します。
微調整していきます。

 

 

 
撮影もします。
撮影したものを確認します。
撮影も1回でうまくいくとは限りません。
何回かのチャレンジでうまくいったときは感動します。
ガッツポーズや拍手、歓声が上がったりします。

 

 

 


撮影が終わったら、活動についてふりかえりをします。
自分の目標から見て、今日の行動はどうだったのか、ふりかえります。
個人でのふりかえりが終わったら、チームでシェアします。
お互いの経験をお互いに伝えあい、より大きな学びにします。

ピタ○゛ラ装置を作るということだけから受け取る印象は、
チームで作って、撮影して、終わるだけのように感じるかもしれません。
写真だけ見ると、チームのみんなと話し合ってかんたんに作っているように見えるかもしれませんが、
作る過程や選ぶ過程で、お子さんは、さまざまなことを考えています。
普段とは違う目標設定をしているから、そこに挑戦しようとしながら、
でもなかなかうまくいかないことも感じながら、
それでも向かい合おうとしています。
いろんな感情と向き合っています。

そこの心の動きを
お子さんたちが感じているというのを感じながら、写真を見てほしいと思います。

普段とはちがう自分に挑戦したときに、
いつもはされない周りの反応も感じているかと思います。

普段は消極的で意見を言わないお子さんが、今日は思いついたアイデアをチームに出そう、と決めて、
チームに出してみたときに、「あ、それいいね」と、
チーム員が自分のアイデアを大切にしてくれたうれしさ、意見を言う気持ち良さを感じることもあったでしょうし、
それと同時に照れやむずかしさみたいなものも感じたのではないかなと思います。

この授業を通して、イメージを言葉や図にすること、そのイメージを人に伝えること、うまくいかないときに受け入れて向き合うこと、自分のイメージや相手のイメージをどうやったら現実にできるのか提案すること、時間との兼ね合いも含めて今何が必要かを選ぶことなどのむずかしさを感じ、
チームでやることで自分ひとりでは思いつかなかったアイデアに触れ、自分のアイデアに他の人も真剣に向き合ってくれることを経験し、自分が提案したことが現実になり、意見を伝えることで相手の意見が変わることや自分の意見も変わることを知り、人とのかかわりのむずかしさも楽しさも感じてもらえたかと思います。
お子さんそれぞれに何か感じ取ってもらえたらうれしいです。

お子さんには幸せを感じて生きてほしいと願っています。
将来、幸せになるためには、今のこの瞬間の行動によって決まります。
一瞬一瞬の積み重ねであること、自分の行動は自分で決めることができることを感じ、人生を自分らしく豊かに生きてもらいたいと願っております。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

三宅恵里香