8月3日(月)~4日(火)化石発掘宿泊報告

こんにちは。瀧口です。今日も暑いですね!

さて、8月3日(月)~4日(火)に行った化石発掘ツアー(宿泊)の報告をいたします。

 

京都駅八条口から福井恐竜博物館へ。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
館内を見学し、

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
発掘現場にて発掘のお手伝い。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
発掘できました!

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
重機で掘っている現場の見学です。山の形が変わっています。その山の脇で、研究者や大学生のボランティアの方たちが発掘作業をしていました。
実際に発掘してみて、化石はそんなにボコボコ見つかるわけではないということを身を持って学びました。
けれど、現場ではあきらめることなく、あるかどうかも分からない化石を探して気の遠くなるような作業をしているということを目の当たりにしました。超能力を持っている超人ではなく、普通の人が何人も何人も協力して、時にはボランティアで(きっと楽しみながら)研究が進められ、それが発表されて今の博物館や教科書などで紹介されているということを知りました。

もう執念だよなこれ。って私は思いました。情熱と言うか、もう、執念。それくらい継続して打ち込んでいる姿。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
現場にてパチリ。恐竜の爪ポーズです。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
発掘現場そばにある野外恐竜博物館も見学。大きな大きな足跡化石のレプリカが展示してありました。足跡の形が3タイプあり、獣脚類と鳥脚類と竜脚類のちがいがよくわかりました。この足跡化石の発見により福井には少なくとも3種類の恐竜がいたことが分かり発掘調査が継続しておこなわれ、今では獣脚類のフクイラプトル、鳥脚類のフクイサウルスとコシサウルス、竜脚類のフクイティタンの4種が見つかっています。……執念。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
宿舎に着きました。宿舎でのルールをお話しいただきます。「自分のことは、自分でする」

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
食事の配膳を協力して。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
ベッドメークや入浴をしてから、今日の振り返りなど。

今回、事前にお風呂のマナーやスリッパのマナーをお伝えしていたためか、お子さんたち行儀が良かったです。「お風呂から出るときは手ぬぐいで身体を拭いてから出るんやんな?」と確認してきてかわいかったです。スリッパも過去の野外実習のときよりよくそろってました。

こういう非日常のときを機会として、ご家庭と協力してマナーを教えると効果が高いな、と思いました。機会がないと、あえてご家庭でマナーについて伝えにくいですものね。気にはなっていても「スリッパやクツは、脱いだら自分の方に向きを変えて置きなおすのよ」と家で親御さんがお子さんに伝えても、お子さんは「はいはい分かってるって」と真剣に聞けないかもしれません。しかし「明日からの化石発掘ツアーに参加するときはみんなの迷惑にならないように、スリッパやクツは脱いだら自分の方に向きを変えて置きなおすのよ」と言えば、お子さんも真剣に聞いたりします。外で恥をかきたくないから。

そういう意味で野外実習などを「利用」していただければと思います。
マナー違反があればこちらでも指摘いたしますが、時間を変えて、人を変えて、大人が一貫して指摘し続けることでこそ効果が上がります。一緒にやっていきましょう。(コツは『ギチギチにうるさく言わずに短くサッと言う』です。)

 

さて、ここから2日目になります。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
起床後、毛布やシーツの片付けなど。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
掃除もします。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
食事の配膳。ちょっと面白いのは、大人がやってしまうとお子さんはただ待つのですが、これこれこういう状況を作りたい(たとえば「全員の席に見本の通りに食事を置きたい」)んだけど、あとは自分たちで考えてやって! と伝えると、お子さんたちはイキイキと喜んで動きます。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
いただきます。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
石川県の恐竜パークです。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
ここでも発掘をします。説明を受けて、

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
ひたすら発掘。発掘。発掘。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
でかい化石です。木の葉ですね。昨日よりも化石は見つかりやすかったです。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
ご飯を食べて、

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
博物館の見学の続きをして、

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
プログラム終了です。このあとバスで京都へ。
2日間、暑かったですがお子さんたちは元気でした!

宿舎の方が、2日目の出発のときこんなことをおっしゃっていました。
(奥越青少年自然の家のシンボルマークを掲げながら)「このマークは、自然と共に生きていくという意味があります。昨日は暑かったですね。今日も暑いと思います。その暑さも……自然です。自然とどう付き合っていくかを考えながら、今後も過ごしてみてください」

暑さも自然であるという意識は私の中に無かったので、心に残っています。
正直お子さんよりも大人の方が「暑いからめんどうだな。疲れるな」とか思ってしまっているなと。お子さんはとにかく、あるがままという感じでした。
まあ、ですので大人が体調に気を配ってあげる必要があるのですが、心配だから触れさせないというのも、またちがいますしね。
心配だから遠ざけるのではなく、心配だから対策を考える。自然を制御しようとするのではなく、自然の中でどう生きるかを考える。そういうしなやかな強さを身につけさせてあげたいなと願います。

以上が化石発掘宿泊の報告です。

ここから蛇足です。

私理科実験の先生をしていますが、自然科学って解き明かしても結局意味がないと思うのです。それはスポーツでも音楽でも料理でもモノづくりでもなんでもそうで。人生も、べつに意味は無いと思うのです。繁栄を極めた恐竜の人生(恐竜生?)には何か意味があったのか?と。

でもだから生きてもしょうがない、っていうのではなく。だからこそ、生きている間は精一杯楽しんで、自分の人生に意義を見出して、静かに情熱を燃やして、人も自分も幸せを感じて生きていくのが最高だ! と思うのです。好きだから、やる。意味が無いのは知っている。でも、好きだから私は理科実験教室の先生をやってます。

化石発掘をしている研究者の方たちも、「そんなことしてお金になるの?」という質問をおそらく何回もされていることでしょう。研究職に就く前に、何度も自問自答したでしょう。でも、選んだんですよね。好きだから。人生を懸けるくらい、好きだから。そういう情熱が、世界を動かしているとお子さんたちに感じて欲しいと思っています。

とは言え、夢見がちな人に育ってしまっても稼げなければその子の将来困ります。私は、好きなことをしながら、自分と家族が充分食っていけるだけのお金を稼げる人を育てることを意識しています。何のために生きているのか、それに答えられるようでないと面白くない。かといってお金が無くてもダメ。両輪なんですよね。だからこそ、人間力を鍛える。自分で考えて動けて、自分も人も大切にできる人は結局どこも放っておかない人財になるのでどこでも生きていけます。「考え抜く力と、自分にも人にもOKを出せる強さを育む」ガリレオサイエンス教室。ご入会はお早めに! 以上、宣伝でした! 笑

文責:瀧口幹浩