授業報告(2023年12月)

こんにちは。ガリレオサイエンス教室の三宅です。

月一ブログ、発信いたします。【1月18日発信】

今回は、ホーキング(小6~中3)クラス、テーマは「科捜研の女(男)」です。

事件現場の鑑識を行い、それを詳細に調べる科学捜査研究所(科捜研)のお仕事の一部分を体験します。

事件現場に残された遺留品。参考人の証言。状況。動機は? 様々な科学捜査の手技を用いて、犯人を捜してもらいました。何を調べるかも含めて、自分たちで判断していきます。

授業の前半は、捜査のための分析方法を学びます。
指紋の検出と血液の検出です。

ガラスや陶器などの、つるつるなものに指紋がついた場合の検出方法です。
お子さんに前に来てもらって、実際にやりながら、取り方を伝えます。
粉やタンポが出てくると、「なんか見たことあるー」「それっぽいー」とお子さんの気持ちがあがります。

お子さんが必要なものを自分で用意して練習がはじまります。実際やるとはじめからはなかなかうまくいかなかったりするので、「思ってたよりむつかしいー」「テレビとかではかんたんそうにやっているように見えたけど、けっこう技術いるな……」という感想も聞きます。実際にやってみることで、面白いなと感じたり、面倒だなと感じたり、むつかしいなと感じたり、さまざまな感情を感じます。どの感情も大切に扱います。
何度か挑戦して、自分で指紋が取れることを楽しみました。

次は、紙やダンボールについた指紋の取り方です。
こちらも演示したあと、お子さん自身が体感します。

続いて、血液検出です。
血だと思われるシミがしょうゆとかケチャップとかジュースなのか、血液なのかを調べる方法を知ります。ルミノールという薬を使った方法です。
ルミノール溶液も自分たちで作ってもらいました。血液との反応を見るため、血液の代わりになるものも作ります。
上皿てんびんを使って、ルミノールの粉をはかりとったりしてもらいます。諸注意を伝えたあとは、詳しいやり方はテキストに書いてあるので、班ごとにテキストを読んで進めてもらいます。お子さん同士で声をかけあい、今何をしたらいいのか考えて行動したりして、作業を進めていきます。

目の前で、ルミノール溶液が血液の成分と反応したのを見て、「うわ、きれいー」「おっ、光ったー」と感動していました。


ルミノールと血液が反応すると光ることをはじめの説明の段階では、言いません。お子さん自身で感じてほしいと思っております。はじめに説明されてから、体感するのと、順番が違うだけでも、お子さんの興味関心が変わります。お子さんの興味関心、好奇心を大切なものと考え、どの段階でどの順番でどこまで伝えるかも考えて授業を組み立てています。

このあとは、捜査資料というものを配り、事件の説明などをして、捜査がはじまります。
事件現場を再現した教室にお子さんたちは、「なにこれ?」「え、なんか本格的……」「(立入禁止などと書いているテープをさわって)これ、こうやってくぐってるやつー」と興奮した様子でした。

現場検証で得られた情報をもとに死亡時刻を推定したり、事件現場に落ちている包丁の指紋を検出して誰のかを調べたり、血液だと思われるシミをルミノール反応で調べたり、班ごとに調べ、推理し、話し合い、また現場を見て、推理、話し合いを繰り返していました。





参考人の事情聴取するときには、何を聞いたら効果的なのかを考えて、話を聴き取りにきたりしていました。

犯行に使われた凶器は何か。凶器を使ったのは誰。死因は。果物ナイフは何に使われた。犯人はどうやって被害者の部屋に入ったか。犯行動機は。お子さんは調べ、推理します。
最終的には、班ごとに、犯人は誰か、なぜそう判断したのか、捜査の結論を出してもらいました。

そのあと、当日あった出来事の紙を見て、真相を知ります。
自分の推理がどこまで確かだったのか、「やっぱ、この人かー」「絶対配達員が怪しいと思ったのに……」思い込みを捨てて、証拠を単純に積み上げたものが真実であることを学びます。

なんだかわくわくする経験をし、さまざまな感情を味わい、今自分たちがやっていることと同じようなことを世間でもただ丁寧に積み上げた結果であることを知ります。そして、世間で起こっていることや作られているものは、魔法でもなく、特別なことをやっているわけでもない、自分には関係ない遠い世界のことではなく、人間がやっていることだから、自分にも想像できること、わかること、やれることをやっているんだなと感じ、あらゆるできごとを自分ごととしてとらえられるようになって、人生を自分らしく生きてもらえたらと思います。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

三宅恵里香