授業報告(2023年6月)

こんにちは。ガリレオサイエンス教室の三宅です。

月一ブログ、発信いたします。【7月6日発信】

今回は、コペルニクス(小1)クラス、テーマは「つめたいせかいでコロコロアイス」です。


冷凍庫を使わずにアイスクリームを作りました。

お子さんは、テキストの表紙に書かれているテーマのアイスの文字を見て、「アイス作るの? 本当に作れるの?」「食べるー?」「持って帰れる?」「なんのあじ? チョコ??」など、本当に作れるのか、本当に食べられるのか、と疑問に思いながらも、うれしさを感じていました。


今回のアイスクリームは、冷凍庫を使わずに実験室で作ります。
使うのは氷です。
まずは、氷の温度を調べていきました。
温度を計れる道具、温度計の紹介です。

温度計を前に取りに来てもらいます。
ケースに入ったままです。
これが温度計? ただのケースに見えるけど……???
などと思いながら、手にします。わざわざケースから取り出して渡すのではなく、なるべく本来の姿のまま出すようにしています。そのままであることが、お子さんの気持ちが動き、自分ごととなります。

ケースのままのお子さん、ケースを開けたけど、中の温度計をじっと見つめるお子さん、ケースの中から温度計を躊躇なく取り出すお子さん、「取り出していい?」と聞くお子さん、そんなまわりの様子を見て、ケースからそっと取り出すお子さん、それぞれのさまざまな動きがはじまります。
「取り出していい?」とのお子さんの問いかけに、「いいよ」との先生の声に、まだ取り出していなかったまわりのお子さんも取り出しはじめます。
まだ、取り出していないお子さんがいれば、あらためて、全体に「ケースから出してね。」と声をかけます。ここで安心して取り出すお子さんもいます。さまざまな心の動きを見守り、尊重して扱います。


はじめてに近い、温度計にさわります。
これが温度計かー。どこを持つの? この赤いのなに? 1とか2とか書いてある……なんのこと? どうやって使うの?! はやく使いたいーなどのいろんな感情や感覚を味わっていました。その感情や感覚を尊重し見守り、必要なときには声をかけ、気持ちを受け取ります。
なんだろう? やりたい! という気持ちが出てきたときに、温度計の説明をします。
すぐに温度計とは……の説明をするのではなく、お子さんがそれぞれの感性でさまざまな感想を感じる時間を大事にしています。世界への興味に満ちたこの年頃のお子さんには、「わっ!」とする発見、「世界っておもしろい!」 と感動する喜びを大切にしています。自分が感じたことを大事にされる環境で安心して、行動するから、自分で考えて動ける人になります。


赤い部分を手でにぎると、赤い線が少し動くこと、水に入れると、赤い線が下がること、また手でにぎると赤い線が上がること、何度も繰り返して、動く、上がる、下がる、のびる、ちぢむ、を体感します。
すると、「氷は?」と言い出します。氷はもっと下がるんじゃないかと期待します。

氷に入れると、みるみる赤い線がちぢんでいく。
「線がどんどん短くなっていくー」「つめたいのかー」
と、あついと上がる、つめたいと下がる、を体感で学びます。

アイスクリームもはかってみます。
すると、氷より下がります。
「氷より下がった!」を感じます。
氷より冷たいことを認識します。

氷ではアイスクリームが作れないことがわかるので、どうしようとなります。


ここで、塩の登場です。氷に塩をまぶしてもらいます。



手で氷と塩をかきまぜてもらいました。ここでは、実際に自分の手でまぜることで、「ほんとに冷たい!」という感覚を身をもって体験してもらいたいと思っています。
「ひー、つめたい!」「手、こおる、いたい」「びりびりするー」と体感します。
「温度はかりたい!」「温度はかってもいい?」と言い出すお子さんもいらっしゃいます。
こちらからはかってと言わなくても、お子さん自らはかりたくなるようです。
氷のときよりも一気に赤い線が下がっていく様子に「もう、赤い線がなくなりそう」「線がないところまで下がりそう」「0どより下がった」「(マイナス10度の線を見て)もう10の線まできたー」と楽しんでいました。この時間を大切にすることで、お子さんのどうして? なんで? の興味関心が広がります。この世界っておもしろいと感じ、そこに自分は生きていることのすばらしさを感じます。そして、自分は世界に愛されていることを思いっきり体と心の全体で感じてほしいなと思います。自分は自分でいいんだと、いっぱい感じられる環境を作っていきたいです。それが生きる喜びや幸せを感じることになると思います。

塩と氷をまぜるとアイスクリームが作れることがわかって、お子さんもひと安心です。


アイスクリーム作りがはじまります。



砂糖を台はかりではかったり、牛乳や生クリームを計量カップではかったりを自分たちでやります。牛乳パックも自分たちで開けます。こぼすかも? と大人が先回りしてやってしまいがちなこともお子さんにまかせます。こぼすことも必要な体験です。こぼしてもいいと思っています。




氷と塩をまぜるのも自分たちでします。冷たいことがわかっているので、「わりばし使っていい?」と言い出すお子さんもいらっしゃいます。お子さんにまかせることで、お子さんなりに工夫するようです。
いずれの実験も、「自分でする」を基本にしています。これは、好奇心の刺激と、「できた!」という感動を感じてもらいたいからです。




最後に自分たちで作ったアイスクリームを食べます。
「つめたー!」「おいしい」「おうちでもつくりたいー。」「なんでこんなにおいしいのー?」
と自分で作ったアイスクリームを味わっていました。

「アイスクリームが自分で作れる」というのはお子さんにとっては意外だと思います。できると思っていなかったことでも、やってみればできたという体験を通して、チャレンジしようとする心の自信になってくれたらと思います。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

三宅恵里香